2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧
ヲシテ三書を発見し研究の道を拓いた松本先生は、晩年に各地の講座を閉じて赤坂例会一本に絞られました。先生が平成6年に引退された後も、会場を提供されていた宮永さんのご厚意で会は存続しました。 そのホツマ赤坂研究会で、私のホツマ研究に鞭が入れられ…
本誌創刊から45号まで連載された「ホツマツタヱ」現代訳を、読み易く物語風に仕立て直した三分冊の第一冊目が、かざひの文庫という新進気鋭の出版社から刊行されました。「八十続五十橿八桑枝の如く」と祝詞でも永続の聖数とされる80号を刊行した本誌。その…
奥駿河湾の三津浜に淡島という神南備型の秀麗な小島があります。淡島(あわしま)。古くから漁師や廻船業者に崇敬されていた淡島神社が山頂に鎮座しています。ご祭神は弁財天さま。 霊峰富士を仰ぎみる絶景の地にあり、アマテル大御神にそっと眼差しを向ける…
古神道の研究者でアワ歌普及にご活躍の宮崎貞行さんは、平成二十四年十一月二十六日に、山梨県河口湖町の由緒ある富士講御師の家、梅谷本庄家を訪ね、その屋根裏部屋に秘蔵されていた多数の古文書を実見しました。その中のひとつが『秘書 神代和字 全』と題…
本年は、ホツマツタヱの写本が再発見されて半世紀の節目の年である。当時、『現代用語の基礎知識』の初代編集長であった松本善之助翁が、趣味の古書探索で神田古本屋街に渉猟していたときに、その奇跡的な出会いがあったときく。 以来、「ザルで水を汲む」如…
夢枕獏さんの小説(をもとにした漫画)が映画化された「陰陽師」がヒットして安倍晴明ブームが起きた頃から十五年。「恵方巻き」はその頃から商品化されましたが、近頃は珍品氾濫で大量の売れ残りを生じ、どうも「純和風」でない光景が印象に残ります。 明治…
大倉精神文化研究所という公益財団法人があります。「東西両洋における精神文化及び地域における歴史・文化に関する科学的研究及び普及活動を行い、国民の知性及び道義の高揚を図ることにより、心豊かな国民生活の実現に資し、もって日本文化の振興及び世界…
現存する最古写本を残した和仁古安聡は俗名を「井保勇之進」と名乗っていました。池田満氏の解説によれば、井保家は伝教大師最澄の頃に遡る旧家とされますが、果たして、井保の名前はどこから来たものなのでしょう。 そもそも後の比叡山建立の根本仏(秘仏)…
松本善之助翁による『奇跡の昭和再発見』から五十年。本誌編集部では、その節目となる本年を「ホツマツタヱ研究と普及の飛躍年」にすべく企画準備に邁進してきました。 本誌創刊号からの連載である今村聰夫氏の現代訳をさらに初心者向けに書き下ろしていただ…
アメリカでトランプ大統領が誕生しました。就任演説をつらつら読むと、平易な言葉遣いで祖国第一、庶民第一を宣言しています。真っ当な主張に思えました。歴史上「強権主義者」は、たいがい「偉大な」「神聖な」という飾り文句で「虐げられた者たち」を奮い…
いときょう氏を団長に結団された「ホツマツタヱを学ぶ会皇居勤労奉仕団」が、皇居と赤坂御用地の清掃奉仕に参上致しました。如月の第二週、まだ厚手の外套を着込んでいた頃です。 赤坂御用地ではみぞれまじりの雨に見舞われましたが、皇居奉仕の三日間は空に…
当誌の編集会議は毎月、明治記念館「金鶏の間」で開催していますが、議論百出、汲めども尽きぬホツマの魅力を語り明かします。前回の話題は本号で焦点を当てた大御神とイセ、イサワの謎解きでした。 イサワの「辞解」は那辺に、との問いにS氏は、「イは【風…
霊峰冨士の登拝シーズンもまもなく終わります。金剛杖を手に日本一の山頂を目指す登山者たちは、「信仰」として山を登っているわけではないのですが、大多数の方々が目的とするひとつは「ご来光」。(不思議なことに)ご来光に自然と手を合わせるのです。山…
ホツマツタヱには獲物や恵みを意味する「サチ」という語句はありますが、「しあわせ」という語句がありません。「あわ」を結ぶという意味ともとれる「幸せ」は、極めてホツマ的な表現とも筆者には思えるのですが、文献では見いだせません。代わりに、「さひ…
ホツマツタヱにおける「ミチ(シ)カウタ」の用語は、二例しかありませんが、現代の「短か歌」すなわち五七五七七の三十一文字短歌とは違う意味づけであったようです。このことについての考察は、この「ホツマの論点」106号で多少触れていました。ミチとミシ…
富士山麓の浅間神社は「センゲン」を正式名称にしているところが殆どですが、笛吹市の甲斐國一宮浅間神社と河口湖の浅間神社は「あさま」が正式呼称です。あさま神としてコノハナサクヤ姫を祀ると共にニニキネ神を奉祭します。式内名神社(甲斐國八代郡)の…
今年は戌年ですが、イヌと同様に人の暮らしに太古より関わり深い家畜がウマです。ホツマでは馬に関する記述に一アヤ丸ごと割き、乗馬法が「君臣」にとって重要な技術であったことを物語っています。 家畜の宿命ゆえに、馬には不断の品種改良圧力がかかり、特…
ご維新の激動期にヲシテ文献の散逸を憂慮し、貴重な写本を残した高島の旧士族、野々村立蔵(水尾神社祠官)は、容聡本を西万木の日吉神社に奉納するにあたり『秀眞政傳紀 傳來由緒書』を記し、この文献の伝来の経緯を後世に伝えました。その文中に、伝教大師…
「ヲシテ関連文献」発掘のために比叡山延暦寺の叡山文庫に特別な許可を頂き、古文書の閲覧を進めています。日本仏教最高学府のひとつたる天台宗お膝元だけあって、「ヲシテ」は見つからないまでも、様々な発見に驚かされます。天照大神を「大日霊貴(ウヒル…
ホツマ二十一アヤは長編。連載中の『わたしのほつまつたゑ』(清藤)は、今回その後半の解釈となります。地鎮祭や棟上祭の原初が明かされます。楼門や鳥居、羅生門の語源や深意が、次々と語られて、息つく間もない驚きの連続となるアヤですが、「大国主」の…
戦後の縄文ブームは、1952年の岡本太郎「縄文土器論」からの第一次、1972年の縄文杉年代推定からの第二次、1994年の三内丸山遺跡栗柱発掘からの第三次と続き、今に至っています。この夏には、東京国立博物館に国宝六点が集結し、映画『縄文にハマる人々』も…
夏から秋の台風では各地に被害が出ました。神社でも樹齢豊かなご神木が倒れるなどの悲しい知らせが相次ぎました。日頃、そのご神木に合掌なさっていた崇敬者の悲しみや如何ばかりと思いを致します。 ふと考えてみたのですが、神社の社殿とご神木、そのどちら…
平野新吉先生が小誌に連載ご寄稿下さる『フトマニ』を読む。本号に掲載された筮歌を拝読して、平成三十一年新春号の冒頭筮歌が、「イヨロ」の歌で佳かったと胸をなで下ろしています。 アマテル大御神が選者となり自らご添削なさって撰集された百二十八首の占…
箱根に遊覧船の浮かぶ芦ノ湖がありますが、湖畔に九頭龍神社が鎮座します。毎月一三日が月次祭で、この日には特別遊覧船が運航し、数百人の参拝者が訪れます。財運と恋愛運に絶大な御神徳があるという評判で、女性達やスーツ姿の男性が狭い社前を埋め尽くし…
令和時代の幕開けとなりました。新元号は、初めて漢籍ではなく日本の古典(国書)から選定されたとされ、にわかに「万葉集」ブームだとか。ですが、「漢籍を典拠とせず」と殊更強調するまでもなく、元々、我が国の元号は、本朝の目指すところの理想を「漢字…
山岳信仰で「お山参り=登拝」を行う民間宗教では、登拝の際に「掛け念仏」という一種の号令を掛けあいながら険しい山道を踏みしめていく、と云う情景がみられます。「サンゲサンゲ 六根清浄」「六根清浄 お山は快晴」などと、指揮者である先達の掛け声に合…
我が国が開催地となったラグビーワールドカップ。肉弾ぶつかり合う烈しい戦いと、その紳士的なプレースタイルに魅了されますね。本号発行の頃は丁度ベスト8からの戦いですが、ご存じでしょうか。その戦いぶりを最も熱心に見つめている神さまは、下鴨神社の…
東京の明治記念館喫茶室で私たちホツマ出版会『検証ほつまつたゑ』編集委員は、毎月、会合を開いています。投稿いただいた原稿の確認、次号以降の企画検討、ホツマツタヱから観た世相の話題など、ざっくばらんに意見交換をしていますが、この「放談」の場が…