縄文叙事詩ホツマツタヱ

検証ほつまつたゑの編集長とらさんがリリース

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜 ⑱「かも」「あも」と「みたらし」 <104号 令和元年8月>

前回の「あま」と「あめ」を考察しましたが、それに関連する重要語句として、「かも」そして「あも」の用例を考えます。 「かも」は、鳥の「鴨」や(鴨の泳ぎから発案された)「鴨船」を意味する用例の他に、「天地/天下/上下:陰陽/夫婦」を意味する使い…

【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜  ⑰「あま」と「あめ」 <103号 令和元年6月>

「あま」と「あめ」は、共に、「天」「天界」「天運」「和上」「中心」を意味する言葉で、ヲシテ文献にはよく使われます。「あま」は「あまつ(天津)」や「天照らす」云々と掛かる言葉として、「あめ」は「あめつち(天地)」や「天が下」云々などと続く言…

【ホツマ辞解】  〜大和言葉の源流を探る〜 ⑯「みけ」と「かて」 <102号 平成31年4月>

神々に捧げる神饌のことをホツマでは「みけ」(御食/御供)と呼称します。 『イトウヤスカタ 神のみけ はむウトウあり』ホ28 その昔、天に捧げるみけは、木の実でした。『クニトコタチの あめ祭る みけは木の実か』ホ15 みけを捧げる役割は重職で、「ミケヌ…

【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜 ⑮「たから」と「ちから」【改訂】 <101号 平成31年2月>

「たから(宝)」とは、「田(たんぼ)」の恵み、即ち米のことであり、古来、日本では米を宝とありがたみ、田を耕す民を大君は尊重して「おほみたから(大御宝)」を称して慈しみ下さった、とご皇室を敬慕いたします。 『ををんたからの 居も安く 靖国宮と …

【ホツマ辞解】  ⑭「はつひみかげ」と「はつひまつり」 <100号 平成30年12月>

元旦に初日の出を拝むことが出来るとその一年が佳き年になる。信じて多くの日本人は手を合わせます。 『天の初日の 御影さす 両神思い 計らずも 光を抱く 心地して みたけ潤い 孕みます』ミ逸文 日嗣御子の誕生を祈願していたナギナミ両神が、初日の出に感じ…

【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜 ⑬「みやはしら」「みはしら」 <98号 平成30年8月>

神社神道で尊貴な神呪として奏上される『大祓詞(おおはらへことば)』には、「ヤスクニと定め奉りて(略)みやはしら(宮柱)太しく建て」というくだりがあります。天降った天孫が、地上に拠点としての都を拓き、「宮」を建造する=統治を開始する宣言をな…

【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜  ⑫「みたけはしら」と「なかはしら」その② <98号 平成30年8月>

ホツマ世界観にとって大切な存在である「はしら」。次に「なかはしら(中柱)」について考察します。 「中柱」は、「天(あ)」と「地(わ)」を結ぶ、聖なる絆となるものです。「あま恵み届く御柱」或いは「あめつち繋ぐ中串(なかくし)」とも表記され、単…

【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜  ⑪「みたけはしら」と「なかはしら」その① <98号 平成30年8月>

「はしら」は、ホツマ世界観にとって大切な存在ですが、「みたけはしら(身丈柱・御丈柱)」と「なかはしら(中柱)」について考察します。 身丈柱は、人が亡くなった時に、その骸(おもむろ)を囲んで殯(もがり)の儀式を執り行い、埋葬した後に、故人の(…

【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜  ⑩「むら」「さと」「まち」「いち」 <97号 平成30年6月>

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 前々号で「くに(州)」「あがた(県)」「あれ(郷)」について、前号では「あがたぬし(県主)」「くにつこ(国造)」「つうじ」「よこべ」「めつけ(目付)」などを解説し、ホツマにおける行政区…

【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜 ⑨「あがたぬし」と「つうじ」 <96号 平成30年4月>

前号の当欄で「くに(州)」「あがた(県)」「あれ(村)」について解説しました。ホツマ伝承では、行政区画の階層は、定量的に組織化されていたように記述されています。 まず、五世帯からなる組を、ヲサである「てべ/てゆび」が取りまとめます。その「て…

【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜 ⑧「くに」と「あがた」と「あれ」 <95号 平成30年2月>

二月十一日は建国記念の日。明治維新後に定められた「紀元節」です。この日を「紀元」と看做すのはホツマ的には諸々異説も生じるところですが、今回は、暦ではなく「国・県・村」のお話しです。 「くに」は何処からの視点で見るかによって意味が変わります。…

【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜 ⑦「うらなふ」と「ましない」 <94号 平成29年12月>

フトマニ歌占い~アマテラスがまとめた日本最古の占術~ 作者:原田峰虎 かざひの文庫 Amazon 「ふとまに」の辞解は難解で、解釈も諸説有ります。その解明の前に「うらない」と「まじない」をホツマで考えてみましょう。 名詞の「占い」は原典に記述が残りま…

【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流をさぐる〜 その⑥「たかま」と「みやこ」 <93号 平成29年10月>

天照大神をはじめ「キミ(君)」として我が国を治める神々がいらっしゃるところ、その計りごとをなされる議場を「たかま(高天)」と尊称し、その土地を「みやこ(都)」と敬称します。 現代語では「タカマガハラ(高天ヶ原)」と通読されることもありますが…

【ホツマ辞解】 ~大和言葉の源流をさぐる~ その⑤「ほつま」と「やまと」続編 <92号平成29年8月>

「やまと」とイサナギとの考察です。 ホツマツタヱにおける「やまと」(という語句)の初出は、2アヤです。オモタル・カシコネの御代について、 【 オモタルの神 カシコネと 八方を巡りて 民を治す ヲウミ安曇の 中柱 東はヤマト 日高見も 西は月隅 葦原も …

【ホツマ辞解】 ~大和言葉の源流をさぐる~ その④「ほつま」と「やまと」中編 <92号平成29年8月>

ヲシテ文献で使用される大和言葉を取り上げ、今に伝わる言葉との差異や、その言葉が生まれる成り立ち、深い意味、関連する言葉との比較などを探ります。 *************** 地名としての「ほつま」は、元々は東国(琵琶湖以東)全体を指してい…

【ホツマ辞解】 ~大和言葉の源流をさぐる~ その③「ほつま」と「やまと」前編 <91号 平成29年6月>

「ほつま」は、叙事詩の本名。「やまと」は我が国の国号に所縁ある重要語句で、ともに深い意味をもちます。 どちらも、もともとは「徳治」を美称する同義語であり、「優れて調い、秀でた円満(なる治政)」を意味し、「和を以て貴しとす」の「和」を表す言葉…

【ホツマ辞解】~大和言葉の源流をさぐる~ その②「ひな」と「やつこ」 <90号 平成29年4月>

ヲシテ文献で使用される大和言葉を取り上げ、今に伝わる言葉との差異や、その言葉が生まれる成り立ち、深い意味、関連する言葉との比較などを探ります。 *************** 三月三日のひな祭りが、ホツマの縄文時代にすでに年中行事(なめこと…

【ホツマ辞解】 ~大和言葉の源流をさぐる~ その① 「ことは」と「ヲシテ」 <90号 平成29年4月>

ヲシテ文献には、「ことは」と「ことのは」の表現がありますが、 「ことのはなくて」ホツマ1綾「ほとのことのは」フトマニをやま「ことのはお」ミカサ として使われる「ことのは」は、文字数を(五七に)調整するために「の」が加えられたもので、原型は「…

【ホツマの論点】 アシツ姫はシンデレラか? 創喜 <74号 平成26年8月>

世界中に継母が夫の連れ子を陰湿にいじめ、自分の子を溺愛するという物語りがあります。 その中で最も有名なものに、ドイツのグリム童話『灰かぶり(フランス語でシンデレラ)』があります。 グリム兄弟は童話集を出すに当たって、16世紀のイタリア人作家、…

【ホツマの論点】 ほろほろと泣く <75号 平成26年10月>

号泣会見で世界的に(?)有名になった、兵庫県議会議員の野々村某氏は朝鮮系人ではないか、という噂が巷で飛び交っています。 原因は、会見の途中で飲んだコップの水の飲み方が、いわゆる朝鮮飲みだったということのようです。 確かに、そう言われれば会見…

【ホツマの論点】 「ふとまに」哲理を読み解く <77号 平成27年2月>

一般的には【「古代の占いの一種。鹿の肩甲骨を焼き,骨のひび割れの形によって吉凶を判断する。「天つ神の命(みこと)以ちて,━に卜相(うらな)ひて/古事記上」】(大辞林 第三版)という理解の範疇にある「ふとまに」なる難語が、ヲシテ文献のひとつで…

【ホツマの論点】 紀貫之が知っていたこと 駒形一登 <78号 平成27年4月>

平安前期の九〇五年に奏上された古今和歌集。その仮名序で紀貫之は「やまとうた」について次のように書いています。『このうた、あめつちのひらけはじまりける時より、いできにけり。しかあれども、世につたはることは、ひさかたのあめにしては、したてるひ…

【ホツマの論点】 松本先生十三回忌によせて 宮崎和歌子 <79号 平成27年6月>

今年は松本善之助先生の十三回忌に当たります。 赤坂例会では先生の遺徳を慕う六人が、御命日の四月七日に四谷三丁目駅に集合、松本家の菩提寺・四谷本性寺へ向かいました。 前日の暖かさとは打って変わり、小雨まじりの寒い日でした。 お寺に着いて墓参前の…