縄文叙事詩ホツマツタヱ

検証ほつまつたゑの編集長とらさんがリリース

【ホツマ辞解】  ⑭「はつひみかげ」と「はつひまつり」 <100号 平成30年12月>

 元旦に初日の出を拝むことが出来るとその一年が佳き年になる。信じて多くの日本人は手を合わせます。

『天の初日の 御影さす 両神思い 計らずも 光を抱く 心地して みたけ潤い 孕みます』ミ逸文

 日嗣御子の誕生を祈願していたナギナミ両神が、初日の出に感じ取った「思い」は如何ばかりだったでしょう。「はつひ(初日)」はその月の初日ですが、新年の初日は、特別です。「みかげ」は「お陰様」の「おかげ」のことですが、勿論暗い影のことではなく「ひかり(の恵み)」のことです。伊勢の「おかげ横町」は大御神の天照らす恩恵に感謝する横町です。

 ホツマの時代から私たちは四季に応じた感謝の祭りを重ねてきました。「はつひまつり」の記述を読むと、私たちの新春恒例行事が、ことごとく縄文の昔から大切にされてきた「習い」であることに感動を覚えます。

 前の晩、つまり大晦日には、
『門松・ハヱ葉 ユヅリハ(譲葉)も 春 飾きかざる もとおりや』25文
『麦に年越え』ミ7文

 とあるように、今も昔も門松を立て、シダやユズリハで注連飾りをこしらえ、年越しソバならずとも麦料理を食して、年神の来臨を待ちました。

『初日より 二陽を和せて ヲケラ(朮) 焚き 若女 水汲み (シトギ)粢餅 環・榧・栗 海菜・トコロ 橘・芋頭 シム(親族)の寄り』ミ7文

 ヲケラは「お屠蘇」に入れる薬草ですが、京都などでは「ヲケラ焚き」行事が、いまも伝わります。「若水汲み」は家内の娘の初仕事。おせちに「ワカメ」を入れるのもその浄めの語呂合わせです。タチバナ(橘/だいだい)は大切な品物で、今も、正月飾りや鏡餅の中心に飾り付けられます。長寿や子宝、厄除けの祈りを込めた食品を賑やかに盛り込んだ食事を用意します。栗や里芋、エビや昆布、御豆など、馴染みのおせち料理がホツマ時代から踏襲されているのです。曲がり餅や揚げ餅は、(今も神饌としては残りますが、家庭では)紅白かまぼこに形を変えたのでしょう。

 「シム」は難語ですが、「しむのより」は「しむのふしゑ」とも云って「親族の節目ごとの集まり」です。欧米ではクリスマスは恋人と過ごす夜と云うより「家族のための聖夜」の性格が強いですが、日本人には大晦日から元旦の「はつひまつり」がありますからね。皆さまどうぞ、よい年をお迎え下さい。
(駒形「ほつまつたゑ解読ガイド」参照)

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小誌の創刊100号記念号は、ちょうどお正月の季節でしたので、日本人の正月準備、正月祭りの伝統行事「しきたり」「習い」を、ホツマの言葉で考察しました。

門松、年越しの麦食、お屠蘇、若水汲み、鏡餅おせち料理、etc、日本人が今でも大切にするお正月の年中行事のほぼ総てが、ホツマの縄文時代から連綿と親しまれてきた日本ルーツの「習い事」だったのです。

「伝える」「つなげる」ことを何より重んじて、それを頭で理解するのではなく、あたりまえの「仕草」として親から子へ、子から孫へと伝承してきたその遙かな歩みをしっかりと受けとめたいですね。

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