縄文叙事詩ホツマツタヱ

検証ほつまつたゑの編集長とらさんがリリース

【ホツマの論点】ラグビーにもサッカーにも顔がきく八咫烏はスパイだった? <105号 令和元年10月>

 我が国が開催地となったラグビーワールドカップ。肉弾ぶつかり合う烈しい戦いと、その紳士的なプレースタイルに魅了されますね。本号発行の頃は丁度ベスト8からの戦いですが、ご存じでしょうか。その戦いぶりを最も熱心に見つめている神さまは、下鴨神社の「さわた社」ご祭神である神魂命さまです。

 さわた社が、何故「ラグビーの守護社」になったかは、本号の表紙解説をご覧頂くとして、今回の論点は、神武東征の貢献者「八咫烏」の正体にまつわる謎です。八咫烏は、サッカー協会のシンボルでもありますね。

 実は、『旧事本紀/天神本紀』の饒速日天下りのくだりで、伴神三十二神を列挙するなかに、「天神魂命:葛野鴨縣主等祖」という記述があります。一方、『日本書紀』では、東征の論功行賞のくだりで「頭八咫烏亦入賞例、其苗裔即葛野主殿縣主部是也」という記述。加えて『新撰姓氏録/山城國神別天神』には「賀茂縣主:神魂命の孫、武津之身命の後なり」「鴨縣主:賀茂縣主と同祖 神日本磐余彦天皇、中洲にいでまさんとする時に、山の中険絶しく、踏みゆかむに路を失ふ。ここに神魂命の孫・鴨建津之身命、大きなる烏となりて、飛び翔けり導き奉りて、遂に中洲にとほりいたる。天皇その功あるを嘉したまひて、特に厚く褒めたまふ。天八咫烏の号は、これより始りき」と記されます。これらが典拠となり、「八咫烏=神魂命=賀茂建角身命/そして(その孫)=賀茂縣主」というプロフィールが奈良時代以降に「創作」されています。

 上下賀茂神社は、現在そのご祭神を「賀茂建角身命賀茂別雷大神の祖父=玉依姫の父=八咫烏」という図式の中でお祭りしています。しかし、それらの神々は、すべてホツマツタヱで詳しくご生涯が記述されており、前述のプロフィールとは、大きく齟齬をきたしています。さて、何処にこれらの誤伝のキッカケがあったのでしょうか。ホツマの原文をつぶさに検証すると、①原文にある誤解を招きやすい表現 ②原文を漢訳したときに生じたかも知れない誤訳 ③それを巧みに悪用した「意図ある」すり替え が見えてくるようです。

 その、起点となる、そもそもの「不都合な真実」が、八咫烏の『嘘』にありそうです。ちなみに、さわた社の例祭日は、四月一日エイプリールフールとのこと。(新連載『賀茂と八咫烏の謎』)

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そうか、この頃(令和元年秋)ラグビーワールドカップで日本は盛り上がっていたんですね。コロナ前の夢のようなひとときでした。

それにちなむ「ボールの神様」について書いてみた小論考です。何故なら、この神様と「カモ一族」「ヤタガラス一族」はとても所縁があり、それら謎の一族を解き明かす秘鍵となっているからです。(それにしても例祭日が4/1とは、ね!)

神社というものは、不思議なベールをまといつつ、古代の真実を現代に伝えるミラクルゾーンです。ホツマツタヱを読み解きながら古社を巡ると、誰でも不思議な旅を楽しむことが出来るのです。

(とらさんは、no+e ブログでも投稿しています)

とらさん原田峰虎|note