縄文叙事詩ホツマツタヱ

検証ほつまつたゑの編集長とらさんがリリース

【ホツマの論点】 サカオリの宮と本庄家古文書 <94号 平成29年12月>

 富士山麓浅間神社は「センゲン」を正式名称にしているところが殆どですが、笛吹市の甲斐國一宮浅間神社と河口湖の浅間神社は「あさま」が正式呼称です。あさま神としてコノハナサクヤ姫を祀ると共にニニキネ神を奉祭します。式内名神社(甲斐國八代郡)の論社として甲乙つけがたい由緒をもちます。ふたつの浅間社は、御坂山地の御坂峠をそれぞれ北南に下った里に鎮座します。つまり「サカオリ」の地です。「御坂みち」として古代官道の要衝をなしたこの地は、ハラミツボの古都「サカオリの宮」の有力候補でもあります。

 不思議なのは、両社とも霊峰富士を遙拝していない事実です。笛吹浅間は西北西向きで、本殿は甲府市の「酒折宮」やその旧社地と伝わる甲斐善光寺をかすめて駒ヶ岳を遙拝します。河口浅間は東北向きで、母の白滝をかすめて三つ峠山を遙拝し、その先は武蔵御嶽神社へと繋がります。物証があっても解釈は難しいものです。

 この謎解きと同様さらに興味深いのが、河口浅間社の御師の家に旧蔵されていたヲシテ文献です。この十二月で再発見から満五年がたちます。本誌83号では、駒形一登氏が現代訳を提示し、そこに秘められた陰陽論にメスを入れ、清藤直樹氏が「六つ教」の解明を試みました。86号では駒形氏が「ウタの六分類とフトマニ本歌取り」に関して示唆を加えています。これらの論考、ならびに平野新吉氏のフトマニ解釈考は、日本歌謡論として日本文学の画期をなす研究分野の幕開けを予感させます。

 歴史書としての『ほつまつたゑ』の輝きは、古代史の定説を根底から覆す「危険書」の香りをも、必然的にはらみます。しかし、「日本歌論書」として本伝をとらえると、又違った色彩と可能性をそこに見いだすことが出来るのではないか、と私たちは考えています。

 「古今伝授とクモクシ文」「小倉百人一首とオクラ姫」「連歌作法とツヅ歌」「國偲び歌の真相」様々なテーマがすでに机上にのせられています。本号では、本庄文書発見者の宮崎貞行氏が、新たに驚愕の「謎解きのカギ」を開陳して下さいました。ご期待下さい。

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平成24年、つい最近に再発見された河口湖の御師旧家文書。『わかうたの綾』では無いかとみられるその一章(完全ではない可能性あり)は、「ウタ」に秘められた深遠なる哲学が記される貴重な一文でした。

ページの錯誤(写本過程での)かと思われる部分もあり、難解な文章でしたが、小誌寄稿者の駒形氏が解読を手がけ、様々な新発見につながりました。そして、本号では、宮崎氏が、新たに驚愕に指摘をされて、我が国の国文学通説をゆるがすような大発見をなさったのです。ヲシテ文献の奥深さを感じさせる出来事でした。古今伝授とは、何だったのでしょうか?

(とらさんは、no+e ブログでも投稿しています)

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