縄文叙事詩ホツマツタヱ

検証ほつまつたゑの編集長とらさんがリリース

【ホツマの論点】脱地球主義の目覚めと靖国回帰 <109号令和2年6月>

 武漢風邪(チャイナ・ウイルス)の世界拡散に対応して世界中で「鎖国&謹慎」ブームが流行しました。すべての「流行」には負の側面があるように、このたびの「鎖国&謹慎」ブームの弊害も、世界経済や心の健康に重大な爪痕を刻印しつつあります。ですが、全世界で「意識の目覚め」を促したと云う意味では、劃期的なのかも知れません。

 共産主義教条が色褪せて後に「理想主義者」たちが群がった「グローバリズム(地球主義)、ミューチャリズム(共生)やジェンダーフリー(無性差)」などの新自由主義に対して、「このままでいいの?」と云う声がようやく発言権を認められつつあるように思えます。社会のあり方に関して「豊かさ」や「自由」即ち【欲し】を基準に語るのではなく、【慎み】を基準に生きる眼差しが、復権しつつあるのではないかと、筆者は感じています。

 それは、「やすくに」の意味を問い直す作業につながると考えます。

 靖国神社の「靖国」は、「『春秋左氏伝』第6巻僖公23年秋条の「吾以靖國也(吾以つて国を靖んずるなり)」を典拠として明治天皇命名した(ウィキペディア)」との俗説が流布されていますが、直接的には『大祓詞』の「豐葦原乃水穗國乎安國登平介久知食世登事依奉里伎(とよあしはらのみずほのくに=日本国を平和で穏やかな国として統治しなさい、とお任せになった)」から引かれたものであり、その淵源は、アマテル大御神の建国精神にあることは、ホツマ愛読者ならよく知るところです。そして、そこで示される「やすくに」のあり方には、「天下泰平、五穀豊穣、万民豊楽」(みもすそ)の実現のために、君臣民がそれぞれの立場で「おおやけ(公)」に献身する「クニづくり」の基本姿勢があります。また、無性差主義とは真逆なメヲ(女男)の役割分担とメヲ各々が補完関係にある「イエづくり」の基本姿勢が、提唱されています。

 他者の淘汰を前提とした成功と豊かさや自由ではなく、中心のない共生でもなく、個の群れとしての社会でなく、家族の有機体としての社会。その再構築が、これから真に求められていくのではないでしょうか。

 本号は、「新型コロナに考える」特集です。

+++++++++++++++++++++++++++++++

この年(令和2年)の正月中旬に日本国内での感染者が確認されて半年、世界中にロックダウンの嵐が吹き荒れました。愚劣で、かつ後代に大きな影響を与える傷跡がついたのですが、「目覚め」のきっかけとなった点もあると感じます。

平和・自由・民主という「理想」を再点検しなければ、ほとんどの人々が目隠しをされたまま暗黒の世界にひきづり込まれるのではないでしょうか。
この号では、敢えて武漢風邪旋風をテーマにして、ホツマ読書人の視点をそれぞれ開陳して頂きました。異色の特集号です。

ちなみに、表紙画像は、わたしが大型割烹料理店を経営していた沼津港の当時の写真です。創業して30年間、(普段は、深夜早朝も漁港・運送・市場関係者が出入りしているので)初めて見る無人の街でした。

なかなか魅力的な、そして不思議な対談でした。

(とらさんは、no+e ブログでも投稿しています)

とらさん原田峰虎|note