縄文叙事詩ホツマツタヱ

検証ほつまつたゑの編集長とらさんがリリース

【ホツマの論点】 トホコ(斗矛)の元はホト&ホコ <124号 令和4年12月>

ナギナミの両神が施政の根幹においた斗矛(トホコ)。斗(ト)は調えるヲシテで、ホコは綻ばす。すなわち、慈愛と武断の文武両道政治でした。この斗(ト)は、「斗のヲシテ」を意味しており、歴代天神が文書化して伝えた徳治政治の極意書でありました。しかし、慈愛と武断のシンボルである斗矛(ト&ホコ)は、元々は、「ホト&ホコ」であった、と考えてみるといかがでしょうか。

つまり、女性器(ホト)と男性器(ホコ)。両性の和合、慈愛と武断の調和が、幸せの根幹であり、成長への架け橋であると認識されていたのです。両性は「トコ」で因み合い、慈愛と武断が調和した世の中を、「トコヨ(常世)」と呼んで理想にしたわけです。違いを認めて和する、という原理です。

アマテル大御神は、矛を剣に代えて、さらに鏡を加えて三種神器(ミクサタカラ)に定めました。それは、慈愛と武断に「自律」を加える英断でした。他律的なアメとムチだけでは、トキモノ(悪知恵者)がハタレと化する危険性をよく悟り、自律的な善循環を促すことの大切さを強調したのです。ホシを去り、スズカに保つ、すなわち強慾を戒め、心身を常に自省し、清らかに律することを君臣民に求めたのでした。

それと同時に、アマテル神は、「イセ=伊勢=イモヲセ=妹背=女男」の大切さを繰り返し唱えました。つまり「ホト&ホコ」の再評価です。ミクサタカラが徳治政治の要諦なのですが、その根っこが「陰陽すなわちオンナとオトコの睦み合い」にこそある、そこに理想型を見いだすと良いのだと説いたのです。

これらの語順が、常に「女が先、男が後」になることにも注目したいと思います。ホト&ホコもイセも「陰陽」すなわち「女が先、男が後」の語順になっているのです。男女は、日月に例えられるのですが、「行動においては男が先で、女が後」なのですが、「存在においては、女が先で、男が後」と認識されていたと観ることも出来ると思います。

このように考えると、ホツマツタヱの根っこにある「女性原理」を知ることが出来ると思います。アマテルを女性神とみる記紀は女性崇拝だが、ホツマは男尊主義であると云った見方は、ホツマツタヱの根っこにある陰陽原理を誤解しているとわたしは考えています。

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「斗の教ヱ」の淵源について、新たな解釈を試みた論点です。
もとより検証誌は「正しい解釈」を決めつけることを推進しているわけではなく、合理的な解釈の可能性を探っている論説誌です。
「トコミキ=床神酒」も、今回説に拠れば「男女酒/陰陽和合酒」と読みとることが出来るわけです。ヤマトコトノハは味わい深いものですね。

(本ブログは、no+e ブログのミラーです)

とらさん原田峰虎|note

 

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