縄文叙事詩ホツマツタヱ

検証ほつまつたゑの編集長とらさんがリリース

【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜 ㉛「やまさかみ」 <118号 令和3年12月>

ヤマサ神は「八つ」の「将神」即ち「八将神」と通常漢字表記します。理解が難しい神格です。何故難しいかというと、①「ヤモト神/八元神=天元神(アモト神)」と混同されやすい。②現代の旧暦占いの「八将神」の元になるものだけれども、大きく解釈が違う。③年神や、金神や、八王子や、様々の神格と現在は混合されていてこんがらがってしまっている、からです。

ホツマに伝わる神々は、アマテルやソサノヲはじめほぼ総てが人格神であり、地上に「生物体としてのヒト」として足跡を残した神々であるわけですが、ごく一部に「自然神/神霊神」とも云うべき「ヒトではない神々」が登場します。何らかの「力/パワー」を秘めた神格であり、しかも一定の居場所を指定されている神々です。

ヤマサ神は、ヤマサ(八将)・ヤマサカミ(八将神)・ヤマサモリ(八将守)などと表記されます。

「地の十一神」から分れ出た八神霊/神格であり、自然災害から人の生活 (衣食住) を守り、また八方位を分担して守る神々です。

1.ウツロヰ (空)  2.シナトベ (風) 

3.カグツチ (火)  4.ミヅハメ (水) 

5.ハニヤス (土)  6.オオトシ (豊作) 

7.スヘヤマズミ (治水・治山) 8.タツタメ (鎮火・鎮浪) の八つの神々です。

1番のウツロヰは、遊行する神で東北を居所としますが時に「うろつき」悪行をなす「凶神」とみなされます。8番のオオトシは「大歳神・歳徳神」として福を司る「吉神」とみなされ、ワカヒメやセオリツヒメと混同され、ソサノヲの子息とも混同されます。

『み熊野の み山木 焼くを 除かんと 生む火の神の カグツチに 焼かれてまさに 終る間に』5文

『生む 土の神 ハニヤスと 水 ミツハメぞ』5文

 とイサナミの臨終の際にその「誕生」が語られるので、記紀ではイサナミの子神と解釈されますが、「勧請した」と解釈するのがホツマ読書人の通説です。

「地の十一神(わのそひかみ)」から生じたとホツマでは明確に記述されます。十一とは、「キツヲサネ」の東西央南北・五神(五臓神)と「アミヤシナウ」の六神(六腑神)です。記紀での「天神地祇」の「地祇」にあたる神格が、本来はこの十一神です。

特定の力と特定の方向(天体位置)と特定の人体部位に結びつく故に、運勢に関係するでしょう。

(駒形「ほつまつたゑ解読ガイド」参照)

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 高島易断の暦本などを読むと、八将神が登場して、吉凶を采配します。
 陰陽道で、年によって各々の方位の吉凶をつかさどるとされる八神。すなわち、太歳(たいさい)・大将軍・大陰(だいおん)・歳刑(さいきよう)・歳破(さいは)・歳殺(さいせつ)・黄幡(おうばん)・豹尾(ひようび)。その中でも、大将軍は凶神とされ、大本教で教祖の出口なおさんが、神懸かりした時に関係する「丑寅の金神」さまです。
 陰陽道では、「はっしょうしん」と読みますが、ホツマが伝える八将神は、「やまさかみ」です。この八つの神々は、ホツマツタヱのなかでは珍しい自然格の神様達です。
 猛暑が続く今日この頃、タツタ神さまのご来臨を願いたいですね。

ウツロヰ神は、やはり性格がよくわかりかねる神格です

「もしも出口王仁三郎が、ホツマツタヱを読んでいたら、、、」
ホツマを読んでいたら、丑寅の金神を「クニトコタチ神」とはサニワしなかったでしょう。梅の花が咲くのですから、ニニキネ神だろうとわたしならサニワします。もっとも王仁三郎さんも、後に「伊都能売神」を押し出してきますから、本人は間違いに気づいていたのかも知れませんね。