縄文叙事詩ホツマツタヱ

検証ほつまつたゑの編集長とらさんがリリース

【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜 ㉗「かかんのんてん」 <115号 令和3年6月>

「かかんのんてん」は、不思議な音感のある古語ですが、現代語に翻訳することが難しい用語です。ホツマ愛好者で神道に親しむ方であれば、六月と十二月の晦日に奏上される『大祓詞』にある「加加呑(かかの)みて」という用語にそれが伝えられていることに関心をもっていることと思います。

ホツマ伝での記述は、かなり多く、

『かかんなす 春のひとしく 巡り来て 磯の真砂は 岩となる 弥々のんてんの ホツマ文かな』序

『マトの教えに かかんして のんアワ国は てんヤマト』ホ5

『流離手も ハタレも放来 満つ足らず カカンなすかも 手立尽き 故ノンテンも あに効かず 日月と我は 天下照らすさ』ホ8

『イクシマと タルシマ四方の 御垣守り イカスリ内の 鬼遣らひ カカンノンテン 揃ふ時』ホ14

『ココトムスビが「カカン」 なす カスガワカヒコ 実柱を 節継ぎ神座に「ミ手」 結び アメノミヲヤを 招き 交ふ』『ヲヲモノヌシが「ノン」 なして ヨロギミホヒコ 斎餞に 八色和幣の 紙 進む』『ヒトコトヌシが「テン」 なして 葛城ヤスヒコ 幣串垂』ホ14

『サルタ 昔授くる サカホコキ 美しき鈴 地生太刀 カカンノンテン 時待ちて 道現わせよ』ホ28

『「あまつ日月の サカホコギ 美しき鈴 地生太刀 かかんのんてん 時 待ちて 道 現わせ」と 朧げの 物ならず故』ホ36

 これらのくだりを味読すると、この言葉が、アメツチの「めぐり」を表現する祭事用語であることを理解できます。駒形一登氏は、次のようにまとめています。

【発生・成長・熟成。 またそれらを象徴する行為。

「カカン」 取っかかり。始め。起り。出発。

「ノン」  伸び。栄え。伸展。成長。

「テン」  頂。天。至り。熟成。完成。

神を地に勧請して祭る時には、この「発生・成長・熟成」の過程を象徴する儀式を行ったようだ。】

 「起・承/転・結」の表現ですが、基本的に「祈り」を伴う祭事用語ですから、何らかの「作法」を伴うことがあったと筆者は考えています。

 二礼二拍手一礼という神道の礼拝方法がありますが、これの源流が、「かかんのんてん」にあったのではないでしょうか。拍手が「かかん」で、合掌拝礼(と祝詞奏上)が「のん」、それと(今では伝わらない?)「ト(ヲシテ文字)」の字型の所作が、かつてはあったのかもしれません。

(駒形「ほつまつたゑ解読ガイド」参照)

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 大祓とは夏至冬至の儀式であったと誤解する人がいますが、ミカサフミ
『六月末は いよ乾き 桃に繁纏る 茅の輪抜け ヰソラを祓う 六月や』ミ9文
とあるように、旧暦6月末が茅の輪くぐりです。
 旧暦6月末なので、例えば今年であれば、8月3日ぐらいです。梅雨も完全に明けて、猛暑続きで身体も乾く季節です。ほてった身体を小川にみそぎすることで、魔を祓い、活力を甦らせ、収穫の秋まで気力を充実させる作法でもありました。
 大祓には、大祓詞が奏上されたのですが、その文言の中に「加加呑(かかの)みて」という不思議な語句があり、神道神学上の謎と言われてきました。これこそ、ホツマ時代に重要な神呪文言として当たり前に使用されていた「カカンノンテン」の流用なのでした。
 「カカンノンテン」とは不思議な音感のある聖句ですが、その意味を探ってみました。

先日御茶ノ水で開催した勉強会の録画です ↑

画像
縄文の教え88 より